「実力主義」と「ヒーロー主義」



時々悩むときがあります。

実力主義とか、実績主義とか、言われていた時代もありました。今でも言われています。
多く結果を残す人ほど恩恵を受ける。それが一番だ、と。

独身時代の私であったら、「いやその通り。自分も結果を残せるようにがんばる」ってなっていたと思います。

でも、多様化する時代。ダイバーシティの時代。日本は多様化に加えて貧富の二極化も進んでいます。

私も外国人の妻がいて、子供を育ててると人より不自由を感じることが多々あります。自分で選んだし、自業自得だよ、と言われたらそのとおりなんです。

でもそれって、独身の人もいるし、ご自身が、もしくはご家族が障害を抱えている人もいるし、いろんな人います。

だから、それぞれが自分の実力に応じてがんばる、まさにそれが「ヒーロー主義」。会議所の職員であると別に自分の収入は増えないけど、得意分野を活かして他の職員よりがんばろうとするときがまさにそれ。

スパイダーマンだって、スーパーマンだって、スーパーパワーがあるからこそそれを活かす義務が生じ、その葛藤をよく描いています。ヒーローであることの恩恵がないから。「普通の生活送りたい!」って。

この2つの主義とうまく付き合っていかなくてはいけません。  

Posted by 下諏訪商工会議所・ITコーディネータの森川. at 2021年01月26日11:29

クリニックで見る継続支援



うちの息子が小麦のアレルギーが有ると診断されて、県内のアレルギー専門のクリニックに行った際、今のうちに小麦に慣れるために受容するしかないと言われて肌荒れのケアを続けてきましたが、今年の冬のガッサガサ具合がかなりひどくなったので、今度はグーグルマップで調べて塩尻のクリニックに行ってきました。

何よりも「スキンケア」と言われて保湿剤とステロイド剤の塗り方を教わってきました。ステロイド剤も肌に悪いと思っていましたが、中途半端にちょっとだけ付けるようなことをしてはいけないなど、うまく付き合っていくこと、未だに学ぶことが多いことを実感しました。

仕事柄こういう気づきが必ず自分のやっている経営支援に紐付きます。

例えば、お金の借入は良くないと信じている人もいますが、ステロイド剤と同じ用に「うまく付き合っていくこと」が大事でしょう。

昨今、商工会議所では伴走型支援と言って、経営支援にも時間軸を取り入れて、利益を出すように継続支援することが求められています。

今までの商工会議所は、点による支援が主でした。イベントを主催したり、決算のお手伝いをしたり、補助金申請や借入の支援をしたり。

いわゆるその場完結型。

そういう機関が時間軸を取り入れるのはなかなか簡単なことではありません。つくづく実感することです。

こういう私たちが使う場合のクリニックも、我々と似たような存在。経営=命だとしたら、そこまでの重大性がないけれど、生活(経営)する上での懸念。症状があるときや悪化した時にしか行かないわけですから、いわゆる悪くなっている人が良くなればお役御免。基本的には自立していて、依存関係にもない。もし仮に、定期的に通っている人がいるとしたら、それはすでになんらかの生活のルーティンに取り込まれていて、共依存関係に陥っていてそれは良くない。

また、そのクリニックに行ったその日も評判がいい皮膚科のせいか、待合室に患者さんたくさん。待ち時間1時間、面談10分。そんなクリニックが自発性を持ってアプローチするほど、継続的支援をできるほど余力があるのか、そこに効率性があるのか、とも思ってしまいます。

あくまでも継続的な伴走型支援は重要で理想。でも、我々はその難しい所業をどういう形でしていくか、手本を探しています。創業支援なら可能かもしれない。もしくはそもそも無理なのかもしれないとも。  

Posted by 下諏訪商工会議所・ITコーディネータの森川. at 2021年01月07日10:14

子育てで見る創業支援



私の家では、テレビの契約はなくもっぱらネットフリックス視聴者なんですが、最近見始めたはかなき世界(原題:Equinox)。デンマークの作品。別にこの作品がおすすめっていうわけじゃないんですが、普段から接しない他文化を学ぶのに、もってこいです。

日本は今、つくづく英語文化に影響を受けすぎている気がします。特にアメリカ。フランスを始めとしたラテン国家や、また北欧に行くとまったく別世界が広がっていることに気づきます。私がまだまだ知らないロシアやアジアの国々、アフリカもきっとそうでしょう。

ここで書き記しておきたかったのはこのことではなく、作中で出てくる子供が親元を出ていく時を見た瞬間、そっちに行くと危ないよとか、だめだよとか、うまくいかないよっていうことが経験上予想できてしまう立場としては、やっぱりどんなに自分の目の届くところに置いておきたくても、どんなに自分のコントロール下におきたくても、子供は「自分なら大丈夫」と信じて離れていく。

やはり自分で実感していないことは、想像も難しく、もちろん、自身が前例に当てはまる可能性があるわけでもなく、あくまでも親の視点は確率論的なもの。うちの娘が男の人と出ていくことになったり、うちの息子が突拍子もないことを始めたりするときに、保守的な妻は間違いなく止めるでしょう。自分はどんな反応をするんだろうと想像してしまいます。

これが今からしみじみと感じるのに、創業支援があります。本人がわからない世界へと突入しようとする挑戦。これは子育ても創業も変わらず、相手の状態や性格などを鑑みて確率論的に判断するしかできません。どんなに計画ができていようと、どんなに熱意があっても、今その時点のその人を見たに過ぎず、時間軸で見れれば幸いです。

最終的にはその本人に身を持って体験してもらうしかないとなりますが、そう言ってしまうと自分の存在って何?になってしまいます。

で、一つ自分が見えている光明ですが、助走期間があるかないかかなと思います。それに向けての準備や体験をどのぐらいするか、できるか。

私が創業支援で関わった方でうまくいっているところは、自店舗を持つ前に場所を借りて一定期間やってみた方や、就職している分野ですでに創業を意識した視点で仕事をしていた方。そのタイミングで我々も接点が作れればきっとなおいいんだろうなと思うこの頃です。  

Posted by 下諏訪商工会議所・ITコーディネータの森川. at 2021年01月07日09:21