
久しぶりに近代経営の冒険気分を味わわせていただいた名著に出会いました。
トイ・ストーリーで一躍有名になったピクサー・アニメーション・スタジオ、そしてピクサーという名のブランド。スティーブ・ジョブズをはじめ我々には全く異なる、雲の上のような存在に感じるのですが、この本を見て下さい。
この奮闘記はまさに身近な存在を感じさせ、彼らにより親近感を抱き、同じような悩みや苦しみを抱えながらも前に進んでいく姿を感じました。
私が最も好きな、ローレンス・レビーさんの気付き部分を引用します。
「ピクサーが成功するには、クリエイティブな精神を殺すことなく、戦略や指示命令系統、官僚的な手続き類を導入しなければならない。精神や創造性、人間性の発露を促しつつ、日々のニーズや責任にきちんと対処する──これこそ中道が訴えるところだ。中道とは秩序と自由の舞いであり、官僚主義と精神の舞い、効率と芸術の舞いである。ピクサーの映画は、いずれも、このような緊張関係を産みの苦しみとして生まれたからすばらしいのだ。」